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【 メディカルグレードのユーカリについて 】


前回のお話は、マダガスカル島のラヴィンサラ(Cinnamon camphora)の精油は、日本のクスノキ(樟脳の樹)としてなじみのある木です。
しかし、マダガスカル島のラヴィンサラは、日本のクスノキと異なりカンファ(Camphor)をほとんど含まないで、1,8-シネオールを50%近く含んでいますから、あの樟脳の香がなくて全く異なる香を持っています。と、いうお話をいたしました。
ところで、1,8-シネオールと言えば、別名をユーカリプトールと言うようにユーカリです。そしてユーカリと言えば、オーストラリアなのですが、その中のユーカリブログルスの精油マーケットの95%は中国産です。
そして、生育の早いユーカリにはケモタイプが多くあります。もちろん、ケモタイプは植物にのみ存在して、動物には存在しません。
その植物が動物と異なりケモタイプを作る素地は何処にあるのでしょうか?
動物における生殖細胞は動物の発生の早い段階で決定づけられています。しかし、植物の生殖細胞は、幹や枝が状況でどんどん出来るように、その状況に応じて花の中に生殖細胞を作る事が出来るからに違いありません。

複数の同じモジュールを植物は作る事が出来るからです。たとえば、動物においては、気管支系や循環器系というモジュールは全て一つずつです。通常は、心臓と肺が枝分かれして3つも4つも持っておられる人はいません。

そして、たとえば、白い花を咲く植物が途中の枝から黄色い花を咲かせるとその変異を持つモジュールからも子孫は引き継ぐというような事が存在する訳ですから。もしそのような事が人間に可能ならば、ガンが子孫にまで遺伝する事になってしまいます。
ですから、変異しやすい植物においては、状況において成分が違うケモタイプが出来るのでしょう。
ところで、1,8-シネオール、ユーカリプトールの多いユーカリの話でした。日本においてはそれほど認知されてはいませんが、海外ではすでに多く使われているメディカルグレードのすばらしいユーカリのことです。ご存じのようにユーカリは、マートルを主として、クローブ、グアバ、オールスパイスなどの仲間の、フトモモ科(Myrtaceae)の中でも極めて親しみのある植物種です。
何しろオーストラリアの国土の75%はユーカリの樹です。オーストラリアには500種類以上(亜種を入れると1000 種類以上だとか)のユーカリの木がありその大半は、非常に成長の早いユーカリ・
グロブルス(学名:Eucalyptus globulus 通称:Tasmanian Blue Gum, または、Southern Blue Gum)なのだそうです。
しかし、そのユーカリ・グロブルスの精油の95%の産出国は中国なのですが、オーストラリアの話に戻します。このユーカリ・グロブルスの精油には、1,8-シネオールが60%ほど含まれています。
また、ほかにもユーカリ・ラディアタ (学名:Eucalyptus radiate 通称:Narrow-leaved Peppermint)があります。これには、オーストラリアでは6種類のケモタイプがあり、シネオールやフェレンドランの含有量によって分けられているようです。

そして、メディカルグレードとしてオーストラリアで最高級のユーカリ精油として使われる精油といえば、間違いなく、通称ブルーマレー(Blue Mallee, Blue-leaved Mallee)、学名ユーカリ・ポリブラクティア(学名:Eucalyptus polybractea)のことを言います。
オーストラリアでは、非常に人気のある良質のユーカリオイルで医療や香料として重用されています。
この、ユーカリ・ポリブラクティアは、1,8-シネオールを91%以上含むフレッシュな香りのユーカリの高品質精油なのです。
ケモタイプとして、クリプトンタイプ(cryptone type)が存在しますが、通常はユーカリ・ポリブラクティアと言うだけでシネオールタイプをさすようです。この1,8-シネオール(ユーカリプトール)には、抗菌、抗ウイルス作用や免疫調整作用や鼻や気管支の粘膜や結膜を保護する成分(ムチン)の産生活性化などが謳われているようです。

エッセンシャルオイル ラバンサラとラヴィンサラの考察

いつもお世話になっております。 ミュウセレクションでございます。

今回は、アロマテラピー エッセンシャルオイルのラバンサラとラヴィンサラについて深く掘り下げてみたいと思います。

今植物は人間が作為的に分類しているだけで、元来植物はそのような人との関わりとはお構いなしに生育していると言うことがわかると、アロマテラピーはさらに楽しく力を発揮できますというお話です。

アロマテラピーが普及すると共に、どんどん精油の種類は多様性をまして、また、逆に種類が増えると共に希少性が顕著になって来ました。これは、人間の本能に宿る優れた探求心のおかげなのでしょう。
しかし、その探求心も純粋さを忘れると、それは単に強欲に成り下がるものとなるのでしょう。
希少性は植物を大事に育てていく事と相反することがあります。そう考えながら植物を大切にしていかなければなりません。
ところで、フレグランスジャーナル社の“aromatopia”が100号を迎えました。
そのことを考えますと、第一号が発刊された当初は、精油は多くとも30種を超えるぐらいしか数えられませんでした。
それが今、ミュウセレクションにおいて100種近くのエッセンシャルオイルを手に入れる事が出来る様になりました。
人間は、希少なものや高価なものに対して、その特性以上の価値を期待するのが常なのです。
手に入らない希少なものや高価なものをやっとの思いで手に入れるとその思い入れは弥が上にも高まるのは確かに仕方が無い事と言えます。
ともかく、多くの精油を気軽に手に入れることが出来ることは学び経験を積む上での豊かな選択肢を与えられる事になります。
2006年6月にフランスのパリ13大学(医学部)の教授や医師達、植物療法家の方々を主として作られたフランス植物療法医学協会(AMPP)で副会長のシュレーベン・アルナル先生の講演がありました。そこでラバンサラ(Ravensara 学名:Ravensara aromatica)、 ラヴィンサラ(Ravintsara 学名:Cinnamon camphora)、サロ(Saro 学名:Cinnamosma Fragrans)、いずれもクスノキ科のマダガスカル特有の精油の講演です。

ラヴィンサラ(Cinnamon camphora)の精油は、日本ではクスノキとして昔から樟脳の樹としてなじみがあります。しかし、同じマダガスカルのラヴィンサラはカンファー(Camphor)をほとんど含まないで、1,8-シネオールを50%近く含んでいますから、あの樟脳の香がなくて全く異なる香を持っていました。
商業的発想の、ともかく、はじめにケモタイプありきに対して、こういうことが真にケモタイプということなのだと思った次第です。
ケモタイプを使うと言う事ではなく、使う植物そのもの自身が状況などその植物の環境状況などで成分生産能力によってケモタイプがあると言う事。ケモタイプに振り回されるのではなくて、使うものにケモタイプがある場合は良く注意して作用を考えると言う事だと思います。

ケモタイプが何故生まれたのかは、はっきりとはまだわかっていないようですが、アレロパシー(多感作用)なのか、土壌や動物との関係なのか、湿潤の環境の影響なのでしょうか。
ともかく、生存していくための多様性の結果、2次代謝産物を作る工程で植物がコストなどから生成するものが変わった結果なのでしょう。
サロ(Cinnamosma Fragrans)の精油は、分類法によっては、カネラ科に分類される場合もありますが、フランスではクスノキ科とみなされる事が多いようです。成分はラ ヴィンサラと同じように1,8-シネオールが40%ほど含まれる事、またネラールやゲラニアールを少し含むことが他の2つの精油と異なる。
すでに、フランスではこのように希少な樹木の精油の研究が行われすでに保護運動までしているのだと感心したものです。

ラバンサラ(Ravensara aromatica)の精油は、リモネンを約20%、サピネンも約18%含む爽快感をもたらす柔らかな香りをもった大木です。
マダガスカルの先住民は、古くから、ハーブティーや万能薬として親しんできた、ラベンダーと同じように使いやすい精油なのです。
注意しなければならないのは、時折、ラヴィンサラが、ラバンサラと間違って表記してあることがあります。
ラバンサラには、ラヴィンサラに含まれる1,8-シネオールやオイゲノールを含みません。
また、ラヴィンサラも注意しなければならないことは、1,8-シネオールが主成分ではなく、カンファーが主成分である場合です。この場合は、学名があっていても樟脳の香りがします。この場合は、残念ながらアロマテラピーには不向きな精油と言うことになりますから注意してください。
このように、多くの精油を知ると共に植物への知識も必要になってきます。
難しい精油や希少な精油を使う前に、知識と経験に裏打ちされた精油を使うようにすることがアロマテラピーを楽しむときに発揮できる事でしょう。
しかし、まずはとりわけて学ぶ上で、ラバンサラは、使いやすくて親しみのできるお薦めの精油です。

profile

京都発のホームフレグランス/化粧品の製造販売を行っております。オリジナルアロマブランド「ミュウセレクション」、京都発の和をテーマとした香りのブランド「Heavenly Aroom」の展開と、オリジナルフレグランス(天然香料/合成香料)のご提案からルームディフューザー・香水などのホームフレグランス・化粧品関連商品の最終製品化までのOEM/ODMサービスも行なっております。
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